リーダーやトップに立つ人は誰にも弱音ははかないものですか?そうでなければ誰に話すのですか?
コラムです。あなたの人生にとってほんの少しでも、良いスパイスになれば嬉しいなと思います。このコラムは【しがらみなし】で書きます。起業する人、社長さんに必要であれば【タブーな話】もします。ご了承のうえ、お読みいただけると幸いです。
リーダーやトップに立つ人は誰にも弱音ははかないものですか?
そうでなければ誰に話すのですか?
というQuoraでの質問に回答させてもらいました
今まで拝見してきた経営者さんを頭に描きながら、私自身のことも振り返りながら回答してみます。
弱音をはくのは、経営者団体での飲み会くらいですね。経営者団体とは、商工会、同友会、青年会議所、異業種交流団体、などです。
経営者は弱音を
会社では吐きません。
家でも吐きません。
友人にも吐きません。
恋人や配偶者にも吐きません。
これは男性だけの特徴かと思っていましたら、女性の経営者さんも同じことをおっしゃいました。ちなみに、女性の場合は、吐くけど理解されない、というのが正確な表現かと思います。
男女問わず、経営者は孤独、と言われるゆえんですね。
ではどこで吐くのか?
冒頭で結論を書きましたが、経営者団体での飲み会、くらいしかありません。
そこでも吐く人とそうでない人がいます。
弱音を吐かないで、どうやって、日々の不安を押し殺せるのか、不思議です。
経営者で心が折れる人がいますが、それは弱音が吐けない人、といって差し支えないように思います。
ただここで難しい問題があります。
経営者団体での飲み会、というのは、いろんな事業者がいます。中には、同業種、隣接業種、近隣の事業者などもいます。見方によってはライバルであり、自社にとっての妨害者にもなりかねない人たちです。
そんな人たちがいる中で、弱音を吐くことの難しさは、経営者をやっておられるとどこか思い当たる節があるのではないかと思います。
弱音を吐く=弱く見える=つけこむすきがあるように見える
という方程式が成り立ってしまう可能性があるわけです。
弱音を吐くことでなぜか「あそこは会社、厳しいらしいよ~」という噂が業界内に流れたりする。
結果的に、信頼の置ける、経営者を理解できる、自分のことを理解してくれる人しか、弱音を吐けないことになります。
経営者団体なら弱音を吐ける、というのは当然には成り立たない、ということになりますね。
今の日本で経営者の割合は、中小企業庁の中小企業白書では、3,589,333社(中小企業、個人事業者数)となっています。ただこれは2016年の数字なので、すでに6年以上経っていることを考慮すると、330万社あたりかと思われます。
単純に1社一人の代表者がいるとして、330万人が社長や事業主、ということになりますね。
日本の労働者人口は6500万人あたりですから、330万÷6500万=0.05です。
つまり、労働者人口の5%ということになります。
労働者でない人も含めた日本の総人口(1.25億人)で割ると、330万÷12580万=0.026。
総人口の2.6%です。
経営者(個人事業主も含みます)の考え方は、サラリーマンと違うところが多々あります。ましてや、労働していない人と比べると、その違いは大きくなると言えようかと思います。
経営者が弱音を吐けるのは、総人口の2.6%しかいない人たちの、更にその何分の1かの人になってしまうわけです。
統計上も、経営者は孤独、という図式は成り立つのではないでしょうか。
弱音を誰に話すか?を考えるにあたっても、経営者には話せる人に出会う機会も限られてくることが理解いただけるかと思います。
だから、弱音を吐かない、吐けない、という人が多いのかもしれません。
弱音を吐く対象が少ない、機会も少ない、ということで、問題となってくることの1つとして【経営者の心の問題】が出てきます。
私自身、20年ちょっと経営者をしていますが、その中では、心が病みそうになったときや、数カ月間、社長業を休んだ時期もあります。
どうも世の中には、「社長は強いもの」というイメージがありますが、実際はそうではありません。
問題になっていないのか統計上は見当たりませんが、心を病んで事業を継続できない人はたくさんいると思います。というか、絶対にいます。
従業員との軋轢、経営収支の悪化、集客の問題、など、いろいろ重なると、病んで、経営者を続けることができない人は、私は容易に想像できます。
個人的にはどうにかしたいなと思っていて、経営者さんから相談があれば、結構、力を入れて、対応させてもらっているジャンルです。受ける側である私の収支は合いませんけど(笑)
案外と長い回答になってしまいました。参考になりましたら幸いです。社長、無理しなさんなよ。
(いきなり広島弁ですけど)